トレーラーのアメリカンとヨーロピアンの違い

自分はヨーロピアントレーラーを所有しているので、アメリカンには詳しくありません。しかしながら、大きな違い程度はご説明できます。

先ずは、トレーラーを横から見たときの、車軸(タイヤ)の位置関係です。ヨーロピアン(以下EUと略)は車体のほぼ中央にタイヤがあります。これに対してアメリカン(以下USAと略)は車体中央よりやや後方にタイヤがあります。

我が家の EU 同志の組み合わせ

European VS American by Disco-4@東京©

USA トレーラーの連結状態

European VS American by Disco-4@東京©

このタイヤ位置の違いにより、連結器に掛かる垂直荷重が変わってきます。EUはシーソーのような状態で、連結器に掛かる垂直荷重が 50-75kg 程度にするよう推奨されています。連結器はリアバンパーより20cm 程度後ろに飛び出ていますので、そこに大人1人が立つようなもので、ヘッド車に掛かる負荷が少ないのが特徴です。これにより、比較的小型のクルマでも牽引可能な訳です。
EU では BMW Mini やカングー、プジョー206、などでも牽いていますし、各車種専用の牽引関連パーツが販売されています。もっともあちらはMT仕様なので、日本に輸入されるAT仕様でも牽けるという確証はありません。

対して、USAはフロント側の垂直荷重が大きくなるように設計されています。これはアメリカの広大な大地をまっすぐに突き進むため、直進性を重視しているためです。下の写真のケースでもおよそ 150kg の垂直荷重が掛かっているそうです。さらにこの荷重を分散させるために、ウエイト・ディストリビューションという装置を装着するのですが、これが下の写真の黒い鉄のバーと鎖から構成されています。自分は腰を痛めているため、この鉄のバーと鎖を実際に持ち上げた経験から、自分には USA は取り扱えないと判断しました。

European VS American by Disco-4@東京©

下の写真は同じ連結器部分ですが、我が家の Disco-4 と EU製トレーラーのものです。連結部分がシンプルであることがお解り頂けるかと思います。またUSAではフロントのタイヤがなく、ジャッキで持ち上げて固定します。これに対して、EUはフロントタイヤがあり、連結を解除すると3輪車状態となって、水平なアスファルト路面であれば、我が家のヘビー級でもひとりで動かすことができます。

European VS American by Disco-4@東京©

次に、連結器のボール(ヒッチボール)の直径に違いがあります。
形状は同じなのですが、何とインチとミリという単位の違いがあり、互換性がありません。EU は 50mm、USA は 2 インチ(=50.8mm)となっています。このため、EU のトレーラーを USA 用のヘッドに繋ぐと、最悪外れなくなる可能性があります。また逆にすると、隙間が大きくなり、スネーキングの発生リスクや走行中に離合する可能性が高まります。ボートトレーラーやジェットスキーなどのトレーラーをすでに牽いている方は、USAサイズのボールが付いている可能性大ですので、ご注意ください。

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最後にブレーキの違いについてお話します。
前のブログで EU は機械式慣性ブレーキだと説明しました。
USA は電磁式ブレーキが主流となっています。これはヘッドのブレーキペダルのところにセンサーを取り付け、ブレーキの踏み込み具合を感知し、電気信号に変換してトレーラーのブレーキを作動させるというものです。メリットは長い下り坂の際、ブレーキの効き具合を手元のコントローラーで随時調整できることです。デメリットは、このコントローラーが付いていないクルマでは牽引できないことです。

ブレーキの点だけ見ると、アメリカンの方が優れているように見えますが、全般的にアメリカンのトレーラーは大型のものが主流で、装備も豪華です。そのため、重量も2トン超えとなる場合があります。
EUのトレーラーは小型車で牽けると書きましたが、USAのは基本的にアメリカンの大型ピックアップトラックで牽くことを前提に設計されており、代表的な例で言えばフォードF350とかトヨタのタンドラのような大型ピックアップです。上の写真のUSAはヒッチ荷重が 150kg と書きましたが、一般的には 200-300kg が普通です。リアバンパーの後端 20cm のところに関取若しくはラガーマンが3人立つと考えたらいかがでしょうか。

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