Music Box 又は Musical Box と書いて、オルゴールのことを指します。
オルゴールと聞くと、宝石箱や人形などに付いている、音の鳴る付属品のようなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、本来は今で言う自動演奏楽器なのです。ピアノの自動演奏のご先祖様と言ってもいいかと思います。何せ、大型のディスク交換式モデルだと、優にタンス一棹程の大きさがあり、重量は 100kg を軽く超えるのですから。
（下の写真は、那須オルゴール美術館で自分が撮影したものです）
何でクルマ関連のブログに急にオルゴールの話が出て来たかと言うと、先日大変貴重なモノを拝見する機会があったためです。オーディオ通ならきっと興味を惹かれることでしょう。
スイスに Thorens （トーレンス）というメーカーがあります。現在は主に高級レコードプレーヤーのメーカーとして有名なのですが、実はこの会社、以前には Musical Box やハーモニカの製造も行っていました。その時代のオルゴールを拝見する機会に恵まれたのです。それがコチラです。ディスク交換タイプのオルゴールで、ディスクに Thorens のロゴが刻まれています。メカ（ハード）だけでなく、ディスク（ソフトのことで、今で言うとレコードとかCDに相当）も自社ブランドだったのですね。
ディスクタイプですから、当然ディスクを交換することで、様々な曲を奏でることが可能な訳です。
この Box のデザインがまたいいですね。素晴らしい装飾がしてあります。この箱はイタリア製と銘板に打たれてありました。Thorens は、1985年にオルゴール(Musical Box) 部門を、スイスの Reuge (リュージュ）へ売却しています。今回拝見した Musical Box は、手廻しハンドルなどのデザインやディスク式ということから、かなりのアンティークモデルになると思われます。
音を聴かせて頂きましたが、ふくよかな奥行と張りのある澄んだ音色で、ボックスの大きさからは想像もできない程の、豊かな音の拡がりを感じました。素晴らしい一品と出会うことができました。
ゼンマイ駆動ながら、ディスクをムラなく一定の速度で真円をキープして回転させるのですから、精密機械以外の何物でもありません。回転の精度で言えば、時計と何ら変わりないと思います。
これも那須の美術館に展示してあったディスク式オルゴールですが、もうこうなってくると初期の蓄音機と姿形は何ら変わらないですね。
さて、Thorens は Reuge に吸収されたと上で書きましたが、実は我が家には Reuge 製のシリンダー交換式 Musical Box があります。それがコレです。
サイズはトーレンスのディスク交換式と比べるとかなり小振りですが、これでもシリンダーを交換することで、いくつもの曲を奏でることができます。
このモデルは、ヨハン・シュトラウスを記念して製作されたもので、９９９台が限定生産されました。我が家にあるのは、このプレートから３号機であることがわかります。
クルマやオーディオ、カメラや時計、筆記具といった精密機械モノは奥が深いですね。Musical Box もなかなか奥が深く、うっかりするとのめり込んでしまいそうな世界です。自分は沼に嵌らないように気を付けています。
那須オルゴール美術館のブログは下記をご参照ください。
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